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筋肉を構造する筋繊維の構造について

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全身の各筋肉群は筋繊維と呼ばれるファイバー状の束により構成されています。この筋繊維はどのような仕組みで収縮するのかを説明すると同時に、筋繊維の張りめぐり方により、筋収縮スピードに特化した筋肉群、そして膨大な筋力を発揮させる筋肉群と左右されます。今回は、筋繊維の仕組みと、平行筋と羽状筋の話をしていきます。

筋繊維の仕組みと構造


筋繊維はサルコメアと呼ばれる筒の中に、ミオシンというたんぱく質と、アクシンというたんぱく質がギアの歯のように互いに噛み合い巻き引くようにして筋繊維を収縮させていきます。これが筋収縮となります。

一方で、筋肉が伸びる方向には作用しませんので、筋肉を伸ばす際には自重による弛緩、または拮抗筋と呼ばれる特定の筋肉の収縮とは真逆に位置する反対側の筋肉が収縮することにより弛緩します。このように、筋繊維というのは収縮方向にのみ作用し、弛緩には全く関与しませんので生物の筋肉はバックギアの無いものと考えて頂くと良いでしょう。

筋繊維というのはミオシンとアクチンを包んだサルコメアが糸のように多連結することで長い筋繊維となりますので筋肉が長い人ほど、サルコメアが多く筋繊維が長いということです。このような筋肉の仕組みなので筋繊維一本当たりの長さが長ければ長いほど、収縮スピードが増すということがイメージできるかと思います。そして、このような構造であるからこそ、例え、筋繊維の長さが何であれ筋繊維一本当たりの筋力は一定を保ちますので、筋肉の長さではなく筋繊維の束本数、即ち断面積が多い人ほど、より筋力を発揮できるというわけです。

つまり、例えどんなに筋断面積を増やしたマッチョになっても筋力が増すだけで筋繊維の長さが変化するわけではないので、筋収縮スピードを増加させることはできません。そのため足がムキムキでもスクワットの使用重量が2倍に増加してもスピードが変化しないことからジャンプ力が2倍になることはないのです

筋力の増加と筋収縮スピードは比例しないという現実ですから、スーパーマンのような超人的パフォーマンスを獲得できないので夢は破れます。

ケント
兎はサルコメアを短い間隔で長く配列しているため、瞬発的なスピードが非常に高い傾向があります。一方で蟹の爪は、サルコメアが長いため収縮すればするほどミオシンとアクシンをギアのように強く巻き込む収縮をするので挟む力が無茶苦茶強いです。
高稲
僕の僧帽筋はサルコメアが非常に長いので肩を引き上げる力は誰にも負けませんよ!
おじき
でも僧帽筋ばかり発達しすぎて気持ち悪い・・・。
KATAGI
私は体脂肪を発達させることができます。何が悪いんですか?
北島
論点がズレてしまいましたねー。とりあえず話を戻しましょう。

平行筋と羽状筋の構造について

平行筋の図・羽状筋の図

平行筋の収縮域の図・羽状筋の収縮域の図

黒い線が筋繊維を示し、赤い部分が腱を示します。

左側の図が平行筋で、右側の図が羽状筋です。

平行筋の構造と特徴

筋繊維が腱から腱に向かって一直線に束になっています。このような筋肉の構造では、筋肉が長ければ長いほどサルコメアが、いっぱいあるので筋収縮スピードに特化した筋肉の構造となっています。この筋肉にパワーを持たせたい場合、筋肥大トレーニングを行い筋繊維の本数を増していくことで筋力の向上につながりますが、筋繊維の長さは変化しないため収縮スピードが増えることはありません。

主に上半身を構成する筋肉のほとんどが平行筋です

羽状筋の構造と特徴

腱を中心に羽状に筋繊維が配列された筋肉です。筋繊維一本一本が平行筋と比較すると短い傾向にあるため筋収縮スピードは遅めですが、腱を羽状に囲むように接続される筋繊維の数が非常に多いため高い筋力を発揮します。

例えばですが、ほぼ同じ筋量を誇る、上腕二頭筋と脹脛の筋肉を比較してみると筋力の差は歴然です。片足つま先立ちで全体重を持ち上げられる脹脛は羽状筋です。一方で上腕二頭筋は、平行筋なので素早く屈折させることはできても扱える重量はたかが知れています。もし体重80kgの人で羽状筋である脹脛を利用した片足つま先立ちは余裕でできるでしょう。しかし、平行筋である上腕二頭筋を片手で80kgを持ち上げるのは不可能です。それくらい筋力の差が生じます。

主に下半身を構成する筋肉のほとんどが羽状筋です

平行筋と羽状筋の鍛え方の違い

平行筋は羽状筋と比較すると、腱に接続する筋繊維の総数が少な目ですので、過度な重量を選択してトレーニングを行ってしまうとオーバーワークになってしまう危険性がありますので中重量や低重量によるレップ数を稼ぐトレーニングが無難でしょう。

羽状筋は腱に接続する筋繊維の総数が多めなので筋繊維一本一本に強く刺激を乗せようものなら高重量気味のトレーニングを行うことで初めて筋肥大に近づくトレーニングとなります。当然、高重量でのアプローチになるため、疲労具合は筋繊維が少ない平行筋と異なり、筋繊維が多く総動員率の高い羽状筋のほうが労度が強い傾向にあります。よってインターバルは長めにとったほうがいいでしょう。

神が想像できなかった最強の筋肉構造はこれだ!

人類を含め、全ての生物が獲得したことの無い最強の筋肉の構造です。

平行筋の収縮スピードと羽状筋の爆発的なパワーの両方を兼ね備えつつも収縮域の高い構造となっています。左の図のように断面は引っ張り強度の高い繊維を中心に筋繊維が6本配列され、右の図のように、それが縦方向に羽状の配列がなされています。既存の全生物の筋肉は筋繊維の長さに筋力の増減が関与することはありませんが、このような筋肉の構造であれば、断面積を増さずとも筋繊維が長いほど筋力を増すことができます。

例え筋繊維の長さを変化させずに肥大による断面積の増加だけを考えても従来の筋肉とは異なり、筋肉を2倍太くすれば筋力は何乗にも高まるわけです。これは恐ろしいほど爆発的なパワーを発揮できる構造となります。

SFチックな話になりましたが、もし突然変異でこのような筋肉構造を持つパワーリフターが現れたらとってもビックリクリクリになることは間違いありません!

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