ネット上や書籍等で解説されるダウ理論は解りやすいですが、実際のトレードでダウ理論を応用に繋げていくには難問なので、絵にかいたような図ではなく実際のチャートを用いて解説します。
ダウ理論をある程度知っている人もいるかも知れませんが、これからの人も経験者も含め、今一度ダウ理論とは何かをザックリと説明します。
MTFフラクタル分析とダウ理論の要点
- 高値安値の切り上げが上昇ダウ、高値安値の切り下げが下降ダウ
- 上位足にも下位足にも同じ現象が起きる
- MTFフラクタル分析とは、上位足のダウの流れに沿った形で下位足でもダウが発生しているかを分析することを指す
イメージとしては上位足の大きな流れの中にある小さな流れの中で利益を奪うものと考えてください。
上位足で流れを見て下位足の流れに追従するダウ理論の本質
マルチタイムフレーム分析を用いて上位足の流れに沿った形で下位足でのエントリータイミングを図るのは基本ですが、問題となってくるのが現在の相場ボラティリティ=相場変動の活発さです。このボラティリティに応じて、どの上位足と下位足を組み合わせた分析が最適解なのか、状況に応じて使い分けする必要があります。
上位足4時間足と下位足5分足でマルチタイムフレーム分析した場合
2012年10月24日〜2012年11月2日の実チャートを用いて解説します。
上位足4時間足の上下動に対し下位足5分足の大まかに高値安値の切り上げシーン・高値安値の切り下げシーンが見えます。
- 4時間足はピンクの線
- 5分足は水色の線
チャートの前半部分は基本的に勝ち組も負け組もルール通りにトレードを行えば利益になります。
しかし・・・
勝ち組と負け組の人生を左右する要因は次の通りです。
- 結局のところ勝ち組も負け組もエントリーロジックに差異はない。
- 唯一の違いは応戦すべきタイミングと引き際のタイミングが適切かつ合理的判断ができるか否か。
上位足4時間足と下位足15分足でマルチタイムフレーム分析した場合
4時間足と15分足の組み合わせは王道と呼ばれています。
理由としては様々な通貨ペアでの戦略において、基本的には4時間足と15分足の組み合わせで大体どうとでも対応できるからです。
しかしMTFに基づくダウ理論を把握できるようになれば、それが必ずしもということではないのが解ります。その実例は後に解説しますので、まずは以下実例チャートを見てください。
4時間足レベルのダウ理論波形に沿って、15分足レベルでのダウ理論波形を描いたものです。
- 4時間足はピンクの線
- 15分足は黄色の線
4時間足の下降波に対し、15分足では上下しながらも下降方向に向かっています。そして15分足レベルでボトム割れから4時間足レベルで上昇転換し、その中で15分足レベルで上下に揺さぶりながらも上向きなのがわかります。
4時間足と15分足・5分足でフラクタル分析しても通用しないケース
勝てるトレーダーが、ある日突然勝てなくなるスランプ期に陥るパターンです。逆に負け組が急に勝てるようになる相場でもあります。
次のチャートを見てください。
- 4時間足の波形がピンク色の線
- 15分足・5分足基準で波形を描いた緑色の線
とてもフラクタル構造とは言えない値動きなのが解るかと思います。
勝ち組はこのような相場に参加することはありません。
参加するのは、相場状況問わず勇者のごとく剣を振りかざす素人負け組FX戦士のみです。そうやって9割の負け組FX戦士同士が先行き不透明な相場の戦場で攻防を繰り広げて喰って喰われの共倒れをしていく中、勝ち組は勝てるボーナスステージが出現するまでバカンスに浸っていることでしょう。